2015年12月14日月曜日

火に手を焼いた日

12月13日。

江戸時代、この日は「すすはらい」としたらしい。もちろん旧暦ではあるが、当初は20日だったのを将軍家光がお亡くなりになってから1週間早めたとのこと。
 で、いまどきすすはらいはないな、と思ってたら、浴室と洗面所の間にある戸の通風孔にほこりがたまってたのを発見しちまったんで歯ブラシで取り除いたんで、これを「すすはらい」とした。

 午前中は「べったら漬け」の本漬けと燻製の第三段階の実施。スモークである。で、結果はまたもや失敗だったんである。
 初回では第一段階の「水抜き」が不徹底だったことによるもの。2回目では第二段階の「塩抜き」の不徹底だったことによるもの。そして三度目の正直になる予定だった今回は第三段階でのミスによっての失敗だった。
 ここまで順調に来たんで気が緩んだかもしれない。点火もうまくいき順調に温度も上がり、安定したと思い、部屋でDVD鑑賞していたのがまずかった。ちょっと気になって窓から状況を確認したときに煙が多いんで見に行ったら、中から「ジュウジュウ」って音がしてるじゃないか。温度を見たら90度まで上がってるんで、あわてて天井の部分を開けたらこげるところまではいってなかたものの、明らかに急に温度が上がったせいで焼肉になっちまったんである。
 皮の部分が堅くなり、しかもじっくり油を落とせなかったことから、肩ロースでありながらばら肉並みに油が残ってしまった。
 悔しいんで年内4度目の製作を決定した。蛇足だが観ていたDVD のタイトルは「野火」。やれやれ。

 午後は火種を絶やさず残ったスモークウッドで「6Pチーズ」と「ゆで卵」の燻製を作った。燻製の間、近くにある「アップルミント」の剪定がてら先端のきれいな葉を摘んだ。カクテルか茶にするつもり。古いランナーを切り取って、更新を促すことによって毎年コンスタントに採取できるそうである。

 夕方まで二本目の市川崑監督作品を鑑賞。「炎上」。

「野火」は大岡昌平原作で和田夏十さんによって大きく改作されている。フィリピン戦線でひたすら迷走する日本軍と生きるために狂人化してゆく兵隊の行為を描く。 船越英二さん演ずる主人公は最後まで人肉を食わない(食えない?)。が、死ぬ。主人公に人肉を食わさぬよう変更した意図が気になった。俺は、この絶望的な状況でそんなことはどうでもいいんじゃないかと思ったが、主人公だけは最後まで理性を失わせたくなかったんじゃないだろうか?映画という娯楽では完全なる絶望的な状況は描くべきではないとか?船越さんの怪演は見もの。

「炎上」はこれも当時大きな話題を集めたそうである 。「野火」の前年公開の三島由紀夫原作(「金閣寺」)、和田さん脚本。これは主人公を正攻法で描いたら難解な作品になってたろうな。挫折してゆく見習い?僧がすべての憎しみのはけ口を自分の愛する父親が愛してやまなかった建設物を壊すことに求めた。脇が名演ぞろいなんで雷蔵さんの存在が薄くなりそうでひやひやしながら観た。
 鴈治郎や仲代達也、北村谷栄などの演技は素晴らしい。特に鴈治郎さんがいい。川島監督が「雁の寺」で鴈治郎さん使ったのは絶対この作品の影響だろうな。
 のりに乗ってた(燃えてた?)ころの作品の二本立てはどちらも100分以内のものだったけど疲れた。この次はもうちょっと軽いものにしよう。

 夕食は「キャベツとひき肉の重ね煮」、「エリンギとかまぼこのポン酢炒め」、「大根の味噌汁」、「白菜の漬物」。
 食後、ワインをちびちびやりながらTV親父。「もやサマ」と「高田純次の旅番組」を半分観たところでダウン。

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