2013年1月18日金曜日

暇人28号

 そういえば年頭にあたっての所信表明してなかったなぁ。
大げさにやって達成したことや三日坊主にもならなかったことが過去数え切れないほどあったが、懲りずにやろうとするところが凡人たる所以である。

 さてあらためて考えると、そうそう浮かんでくるものではないが、とりあえず一月足らずで還暦を迎える。しかも生かされてるわけでないことをめでたいといわねばならない。
 実際平均寿命なるものは生かされている人も含めての統計上の数値に過ぎないんである。江戸時代ならば出産時、あるいは乳幼児期に死んでしまうことが多く、現代医学技術”仁”が実在してたら現代よりも平均寿命は長くなるという見方もあるそうだ。


 ともかく自立していることの”重さ”を強く感じるようになったことだけは確かである。”リタイヤ人”をとりまく環境は厳しくなりつつあり、アベノミクスはそれを再確認させてくれた。
 年金生活開始と同時だったのは、皮肉に聞こえるかもしれないが、日本で生きる以上気を引き締めて生活しなきゃならないことをうっかり忘れそうになった平和ボケ頭を目覚めさせてくれた。


 これだけ先行き不安が浸透してしまった今、容易にデフレが解消するとは思えない。しかも金融政策が猿でも分かるほど短絡的なものであり、ヒステリー気味に誇張するところなんぞ、右傾化というより茶番劇化してる。現に円や株価が上下というより右往左往してるじゃないか。”リタイヤ人”としては若者を右往左往させずに済むよう助力することが勤めじゃないかとも考えるようになった。まぁ、所信表明としては漠然としてるだけだし、今年はなしでもいいか。

 


 同居人外出&外食のため、厨房も閉鎖しせんべいやらチーズでウイスキーをちびちびやりながらDVD鑑賞。昨夜の出し物は「鉄人28号」。全26話中15話まで観た。
 原作を大胆にアレンジしてあり、その面白さは10年ぐらい前だと思うがすでに知っていた。はっきり言って横山光輝の原作は大人の視聴に耐えられない。ストーリーテラーではなかったのだ。設定そのものはともかく、意外性に乏しく、どちらかといえば淡々としていて安心して読める雑誌の巻頭を飾る大定番だったんである。


 しかしこの(正式には)二度目になるアニメは、昭和30年を舞台にした虚構と史実をない交ぜにした大活劇となり、洋画で言えばバットマンをダークヒーローに仕立て上げたクリストファーノーランの一連の作品に通じるものがある。主人公も悩み多き少年探偵であり、原作で彼はこんなに、というより正義の味方まっしぐらだった気がするんだが....。
 三鷹・松川事件や帝銀事件そして後半では黒部ダム開発まで登場したりと、こうした史実の借用はまさに「フォレストガンプ」である。
 
 キャラクターは原作にこだわって、リアルっぽくしないところが好感がもてる一因となっている。この反対に失敗したのが、つい最近の「009」であり、あれは全員別人じゃ。
 そして脚本に力を注いだことが、作品として成功した好例となった。また「メトロポリス」のように大作にするまでもなく、こうした試みがたびたびあると往年の漫画ファンは喜ぶんじゃないかなぁ。


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