2015年8月3日月曜日

おいしい酒 キリシマ

8月2日。
1日ひきこもりを決め込み映画と本で過ごした。

「うつくしい夏 キリシマ」。黒木和雄監督作品。本人の少年期をもとに半分フィクションということである。宮崎県のある村での終戦直前の数日間をえがいたもので、庶民が戦争によって生き方の選択肢を亡くしてゆく様や、戦争に実態を知らされずに本来あるべきはずの幸福の追求が誤った方向へと強制されてゆく様を淡々と描く。
 作品自体も良いが、DVDの映像特典で著名な映画評論家佐藤忠男と監督の対談も興味深いものだった。映画本編が流れる中、その映像に合わせながらの対談ということで、結局作品を2度観たことになる。それとは別に30分の二人が映る対談もある。さらに地元の放送局が作った監督のドキュメンタリーも30分入っていて、結局この作品に関して5時間を費やした。

 監督の考え方がとてもよく分かった。国威高揚の手先となった戦時の新聞や、洗脳の道具となった修身など、活字に対する不信感と、あるがままを写し、判断を観客に委ねる映像との出会いなどが生涯映像作家として活躍した原点であるということ。
 また演出に関してもシナリオとキャスティングで80%の完成であるという考え方も監督の個性を知ることができた。
 さらに今ではかなわぬ夢となってしまったが、監督が切望していた山中貞雄に関する映画を撮らせてあげたかったな。

 寺島進が劇中で自虐気味になってはくセリフ。「俺は幽霊だ」。確かに彼は「(柳)ゆうれい」である。

 昼食はキャベツともやしの「鹿児島ラーメン」。

昼食後は黒木和雄著の「私の戦争」。2004年の本で、巻末に憲法9条の改悪に対しての懸念を強く抱いていたことがわかる。

 夕食のメニューは「鶏肉とキャベツのXO醤炒め」、「冬瓜と魚肉ソーセージのスープ」、「冬瓜の梅あんかけ」、「キュウリの梅酢漬け」。
 で、XO醤も消費し切った。が、ちょっと食べすぎだったな。

 食後焼酎のシークワーサー割りをちびちびやりながら映画鑑賞。この日は「赤霧島」を飲みたかったな。                                                     「ガキ帝国」。井筒和幸監督脚本。「岸和田...」の前身となるもので、こちらのほうはやくざが絡んできて、岸和田のような青春ものになり切れてない。とにかくパワフルな作風である。関西のPTAがよく黙って上映させたか不思議でならない。
 今回借りてきた最後の1枚「犬死せしもの」を観始めた途端眠気に襲われたんで9時ちょっと前にダウン。

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