2017年8月16日水曜日

たまにはアートな旅でも

8月15日。星期二。       計測忘れ。

 敗戦記念日である。終戦ではなく。

 一番のニュースは「セゾン」が社員区分をなくし全員を正社員にするというものだ。全員社員というのは「IKEA」でもニュースになったことがあり、それ自体珍しいことではないが、やはり優秀な人材を確保したいという本来の会社のあり方なんだろうと思う。
 会社自体の収益を考え過ぎて、その結果人件費などの削減に躍起になって出来上がった契約社員方式は大きな転換期を迎えているわけだ。以前も書いたことがあるが、これはいわゆる昔ながらの女衒と同じなんであり、この方式で成り上がれる人材というのはホリエモンくらいの頭がないと無理なんじゃないだろうか?そういう人は会社起こしてるし。
 どちらにしてもこれからの人たちに余計なストレスを与えずに仕事に専念できるようにして欲しいものである。

 出かけるまで読書。著者(星野道夫)の現代人としての自然界に対する責任の持ち方というのが、あまり深刻な考え方でないことに共感が持てる。俺にも、せいぜい自分のために自然界が悪くなることには責任感がないわけではないが、そこは最低限の努力はするが、必死になってやったり周りに働きかけるところまではやってないし、これから先も多少はあっても夢中になって運動するようなことはないだろう。せいぜい土に埋めたものが分解し終わるころまでの責任は持ちたいとは思ってるが。
 それぞれのエピソードがとても著者の優しい気持ちが伝わってくるなあ。六花亭の包装紙のデザインのもとになる絵を書いた人、キスカ(映画にもなった)の生き残りの日米の軍人、スパム好きの伝説のパイロットなど、出会いや別れがだい自然の描写とともに生き生きと描かれる。

 先日読んだ島尾敏夫の記事に乗っていた「特攻艇」のことが「キスカ」でも書かれていた。本当にお粗末な作りであることがよく分かった。それに命を預けた人たちの悲劇を通して戦争のあほらしさを改めて強く感じるな。

それにしても動植物が多く記述されていて、画像付の百科事典が手元にないと、自然の素晴らしさが100%通じてこないのが残念。

 
 この日はケイのねぇねぇとパイ男と三人で平塚の平塚市立美術館へ「ブラティスラヴァ世界の絵本原画展」を見に行った。
 この日はケイのねぇねぇの誕生日であり、出生地は横浜である。因果なもんだ。

 割引にはなったが、900円という高額な入場料をとるだけあって、その展示点数の多さだけでなくバラエティーに富んだ構成はさすがのものだった。第一に建物が立派だ。どうやら平塚は財政が豊かなようである。そういえば工場が多いところなんだっけ。

 俺は絵本にはほとんど興味がないんで、早々に済ませてから、階下にあった自由に閲覧できる美術書の中に写真集があったんで、その中の土門拳や入江泰吉、東松照明などの作品で十分楽しんだ。
 中でも、土門拳集のあとがきに佐多稲子が書いた文があり、墨田散歩をしたときから気になってた人のものを初めて読んだ。ごく普通の文だった。で、仲居をしていたころ芥川龍之介のお気に入りだったことを後で知った。意外なつながりがあるもんである。

 近所の平塚中央図書館も寄った。ここでは村井弦斎のことを知った。簡単な展示だった。ここ平塚が終焉の土地だったいうだけでのことで、それを地元の人にもっと知ってもらおうという意図があったんだろう。それでもこの人の著作である「食道楽(くいどうらく)」は是非読んでみたいと思った。いわゆる今はやりのグルメ本の大元祖である。
 簡単な略歴を読んだら、ケイのねぇねぇの卒業した学校の大先輩であり、亡くなったのは芥川龍之介と同じ年だ。もっとも一人は35歳での自死であり、一人は64歳(今の俺の年だ)だった。なにかとくっついてくるなぁ。
 平塚に戻り、駅ビルの中の喫茶店で一休み。俺は「東京地ビール」なる泡が出る飲料水とウインナが隠れてるパンでおやつタイムとした。

 池袋で別れて帰宅。

 夕食はあるものだけで済ます。ちょっと炒めた「スパム」、「チーズ」、「枝豆(冷凍)」、「キムチ」、「ゴーヤーの漬物」、「柿ピー」。で、発泡酒~芋焼酎の水割りをちょっぴりなめて9時にダウン。
 

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