2016年11月8日火曜日

三業地散策

11月7日。    161/97。61.6㎏。

 立冬である。Tシャツ短パンだと血圧が上がるなあ。

 午前中は眼科検診とプール。眼科検診は健康診断の一環で区民は確か40歳以上だったかな?無料で受診できる。まあ、この年で心配なのは緑内障である。
 確か10年以上前、緑内障の嫌疑をかけられたことがあり、お茶の水の超高級眼科?で精密検査をしたことがあり、そのときは毎年来るよう勧められたが、その後毎年の健康診断では一度もそんな兆候はなく、さすが超高級眼科は商売がうまいと思った。今回も眼圧その他異常なし。

 プールでは、スーパー老人がガンガン飛ばして泳いでたり、超メタボ親父も猛スピードで25mをこなしたりで、まあ俺のようにちんたら泳いでるじじいはほとんどいなかったな。それでも50分休まず泳ぎ切った。

 昼食はファミレスでケイとケイのにぃにぃと三人でランチ。広島の牡蠣を使ったフライと包み蒸しと雑穀のランチセットとデザートは抹茶くずきりとソフトクリーム。

 この後、戦前まで三業地(風俗三点セット)だった場所の散策から俺の母親が入籍するまで住んでいた場所を特定したりして暇をつぶした。
 歩き始めた途端、上から食いかけの柿が落ちてきた。見上げると電信柱の上に大きなカラスが俺のほうをにらんで?鳴きやがった。ざけんな。にらまなきゃならないのは俺のほうだ。

 柿食ひて カラス鳴くなり さびれ道


 昭和16年の地図ではこのどちらかが昭和11年5月にあった「阿部定事件」があった待合「満佐喜」の跡地になる。なんの史跡も残されてない。
 ここが母が昭和11年11月に嫁いでゆくまで住んでいたところに当たる。この建物はたぶん戦後しばらくしてから建てられたものだろう。
 そこからちょっと歩いて尾久橋通りを渡ったところから来た方向に向かって撮ったもので、この舎人ライナーの軌道や建設中のビルの裏側に先ほどの建物がある。
 昭和10年代、荒川区では花柳病やトラホーム(いずれも性病)患者が急増したという記事を区史で読んだばかりだ。母の実家跡地から歩いて10分くらいだろうか、ここは都電通りと反対側の三業地への入り口に当たる。そこに昔の面影を残す踊りの「教室」ではなく「稽古所」というのが生々しく感じられる。もとは置屋だったかもしれない。
 昭和16年の地図によればこの画像と下の画像の道路が三業地のメインストリートだったことになる。まあ、横道に入ったところにも何軒も待合があったに違いない。
 下の画像は八幡掘りの史跡である。卒論でも触れたのに、この日初めて知った場所である。用水路だったもので、高台である田端のほうから田や畑に水を引いていた。現在は暗渠にして下水道に使っているらしい。

 今回の調査でいろいろ考えさせられた。まずは時代背景である。昭和11年の東京は不穏な年だった。2月には「226事件」、5月には前述の「阿部定事件」、7月には「上野動物園クロヒョウ脱走事件」があり、世相としても戦争へと続く何か暗いものが覆っているかのように感じられたんじゃないだろうか?
 そんな年の11月に母は嫁いでいる。そして敗戦濃くなったころに福島の疎開し、父がやっていた工場や住居等すべてを亡くした東京に戻ってから、その後死ぬまで貧乏生活を送った。
 そんな彼女にとって尾久での生活はどうだったんだろうか?29での入籍は当時相当遅かったに違いなく、その要因も何かあるんだろう。
 もしかしたら、実家も貧しくて働いていたのかもしれない。俺の記憶にあるのも平井の料亭での女中姿である。同じようなことをしていたのかもしれない。
いずれにせよ、もう想像の世界だ。今となっては何もわからない。

 そういえば阿部定のことを調べてたら、なんと「慶大生」という今時話題になってる名前が出てきた。阿部定は15歳の時に慶大生に強姦されたのである。ここから彼女の人生が狂いだしたという記事も読んだ。
 慶大生の中には約100年前からしょうもない変態野郎がいたということだ。

 夕食は、当初宮の前(三業地そのもの)のとんかつ屋にするつもりだったが、二人ともそれほど腹が減ってなかったんで居酒屋に変更した。都電通り沿いにある「寺の湯」跡地近くにある居酒屋にした。
 寺の湯はこの地が以前温泉地で大いに繁盛したことを証明する最後の史跡である。何軒もあった温泉は近くの工場の地下水のくみ上げで温泉が枯渇してしまったことで衰退してしまった。残ったのが三業地だったわけである。
 さて、居酒屋だが、「牛筋煮込み」、「こはだ酢」、「チーズフライ」。これに生ビール~「真澄・純米吟醸」。料理はひどい。たぶん、調理してる親父はほかの水商売あがりに違いなく、板前はおろか厨房経験は短そうだ。たぶん包丁よりドスを持たせたほうが合うかも、ってのは冗談だが、それにしても店内装飾にしても、手作りなんだろうが、ばらばらな感じがして貧相さが表立ってる。
 こうなると出される料理もまずそうに見えてしまうのは照明のせいだけではない。もっとも見た目だけじゃなかったが。
 睡眠時間の短かったケイのにぃにぃが不調そうだったんで早々に〆た。

 帰宅して、飲みたんなかったんで日本酒を2合ばかり飲んでからダウン。8時ころか。



 

 


 

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