2016年2月11日木曜日

二度目のユーゴスラビア映画

2月10日。

 朝からハンバーグ制作。500gのひき肉で8個作るレシピによるものだが、6個作って残りの2個分でハンバーガーのパテを作ろうとして、見事に失敗した。あとで知ったことによれば、あれは型枠を使って作るそうである。ハンバーグって焼き上がり変形するから、そうでもしないと作れないはずであることはちょっと考えりゃわかることなんだが、そこが俺のおっちょこちょいたる所以なんだろうな~。
 水回りの掃除やテーブルのネジ締めなどをテキパキ済ませてから、途中まで観た映画を鑑賞した。

 この日の作品は「サン・ロレンツォの夜」。寓話風にトスカーナ地方で起こった大戦時の悲劇を描いたもの。日本でも戦後すぐのころアメリカ兵にひどいことされるんじゃないかといった風評が広まったらしいが、それと同じようなことが描かれていたり、それによって村に残るものと離れるものが分かれた事でそれぞれの悲劇にあってしまうことを少女の眼を通した形で語られる。
 ファシストとの交戦では顔見知り通しの酷い殺し合いが淡々と描かれる。なんだろう?この不思議な感覚は。今まで味わったことのない戦争(反戦)映画である。

 前日観た作品は「父・パードレ・パドローネ 」。これもかなり強烈に印象残る作品だ。クソ親父のために重労働を課せられ、文盲となった主人公が軍隊を経て、父から独立して言語学者になった今、その父を回顧する。ここでも軍隊のアホらしさを独特の語り口で描いている。

 両作品に共通するのは「性」をあっさり描いているということで、笑いのネタにしていることである。また主要人物が同じ俳優が演じており、名前も知らないがこれがいい。

昼食は「塩さば」、「しらすおろし」。

 午後はプール。

夕食は「牛肉とごぼうのおかか煮」、「白菜とちくわの和物」、「大根&しょうがのひき肉スープ」。

食後、ミルクココアをちびちびやりながらDVD鑑賞。「アンダーグラウンド」。1995年ユーゴスラビア映画。実写フイルムに主人公たちが紛れ込む撮影ってのは「フォレスト・ガンプ/一期一会」 を思い起こさせるが、制作年度を見たらこちらのほうが1年後だった。
 とにかく圧倒される作品だ。ドイツに抵抗するパルチザンはまるで盗賊であり、そのパワーたるやどんちゃん騒ぎ続きで、マカロニウエスタンの異色作「群盗荒野を裂く」を彷彿とさせる。
 脚本も20年の歳月を、ものすごい乱暴な描き方で観る側に疑問を抱かせる暇を与えないような展開で進行させてしまう。喜劇的な要素が濃いのに、戦争の残酷さもしっかり描いていて、この一本調子でないアンバランスさは、実はこっち(見る側)が勝手に作り上げている「バランス」であって、描いている方にとっては意図的にそれを狙っているんではないだろうか?この自由な描き方によってこの作品の与える印象は非常に強烈なものとなっているのに違いない。
 「サン・ロレンツォの夜」と同様、戦争が寓話的に描かれてるが、やはり内戦に関しては ユーモアをもって描かれていないのはあまりにも作りて自身が他人ごととして描くことに抵抗があるに違いない。やはり心に深い傷跡を残す悲劇なのである。この国って戦争が長く続き、分裂の仕方なども複雑だもんなあ。

 で、3時間弱のこの作品、ほとんど休憩もなく一気に観ちまった。
世界にはまだまだ味わったことのないような感動を与えてくれる映画がうんざりするほどあるようである。 ちなみに初めて観たユーゴスラビア映画は40年前に観た「ネレトバの戦い」で、すごい真面目な戦争映画だったと記憶する。

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