2017年3月16日木曜日

春の三本立て

3月15日。               137/84。62.4kg。


 早朝キッチンは、「ねぎ味噌」。昨日弓道の帰り道に寄った商店で買った一束50円のほうれん草を茹でた。昼食に使う予定だったが、忘れちまって結局夕食に再登場となった。

 この日は朝からレンタルDVDの消化を決め込んでいた。

 で、一枚目は「ショートカッツ」。ロバート・アルトマン共同脚本・監督の1993年の作品。185分。短編小説をひとつの時間軸に組み込んで描いた群像劇である。大本は「グランドホテル」形式なんだが、この人の超お得意としている分野でもある。
 今回初めて観て気がついたんだが、「マグノリア」はまさしくこの作品の影響を強く受けているという点だ。「マグノリア」のポール・トーマス・アンダーソンがロバート・アルトマンの体調不良のため、彼の最後の作品(「今宵フィッツジェラルド劇場で」)の補助役を引き受けていたことも知られている。

 冒頭の10分で登場人物のほとんどが披露されるという、旧来からの約束事のまとめ方が素晴らしい。この後の175分をちゃんと引っ張っていってくれるという安心感がここで生まれた。

 内容は、他人に不快感を与えていることを自覚しようとしない自分勝手で無神経な人たちの咬み合わない人間関係を描く。SEXに関する表現が多く、最低の夫婦関係や親子関係も多く登場する。終盤、その親子や夫婦が不幸の中にも再生してゆくものも描かれるが、スッキリしたハッピーエンドとしていないところがこの監督らしいところでもある。現実的なんだな。
 役者を一人ひとり評価したくなるくらい怪演奇演が楽しめる作品でもある。特にトム・ウエイツやリリー・トムリンの掛け合いが見ものだったな。
 で、最後は地震。空から巨大なヒキガエルが雨のように降ってくる「マグノリア」のような派手さはないが、この象徴的なエンディングは当時話題になったことだろう。

 昼食は「にゅうめん」。温かいそうめんである。ネットで拾ったレシピに寄るもので卵とじが加わるもの。具材は人参・長ネギ・万能ねぎ・三つ葉など。

 午後は二枚目。「マイケル・コリンズ」。アイルランド独立戦争の立役者の史実を元にしたニール・ジョーダン脚本監督作品。「モナ・リザ」や「クライング・ゲーム」など一風変わった作品を観てきたが、さすがに史実を元にしたものには正攻法の描き方しかないと思っていたとおりだった。
 当初同志で後に敵対する、のちのアイルランド大統領に扮するアラン・リックマンがいいね。この作品では国家(イギリス)の情報収集能力の優秀さや、民族の根強い憎しみが強く描かれる。主人公は「96時間」並ではもちろんないがアクティブな役回りのテロリスト・リーアム・ニーソン。

 夕食は、「れんこんのカレーそぼろ炒め(キーマカレー使用)」、「ごぼうスープ」、「大根サラダ」、「じゃがいものトマト煮」、「ほうれん草のプロセスチーズ和え」。

 この日は久しぶりのNAD。

 で、三枚目。「黒猫・白猫」。エミール・クストリッツァ監督作品。ドナウ川沿いに暮らすジプシー?たちのどんちゃん騒ぎを描いたもの。ヤクザ社会の3世代をコメディー仕立てに徹した今作は前作「アンダーグラウンド」から引き継がれてきたものだとわかった。ただ、前作と違ってメッセージ調は消えている。
 間抜けなチンピラ、ずる賢くやたらテンションが高いゴロツキ、「カサブランカ」を繰り返し観て、男の友情に酔っている死にかけ親分など、いきいきと描かれ実に楽しい映画だ。
 エンドタイトルに「Happy End」と入るのも作者の、前作に対する批判に対する「お遊び」?

 9時過ぎにベッドイン。ちょっと本を広げたら早速「睡魔君」がやってきてダウン。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿