2012年10月11日木曜日

高齢者のつぶやき

 最近の新聞記事には終末治療や延命措置、認知症などの記事がやたらに多い。
当然これから何年か先に自分の問題になるわけなんで、必ずというほど目を通してしまう。

 高齢者施設入所希望者からとったアンケートに関する記事が興味深かった。要するに高齢者のつぶやきの集計である。

平均寿命まで生存希望者の男女差である。女のほとんどが生きたくないそうである。それに対して男のほとんどが生きたいんだとさ。
 驚いたのは女の潔さ。男のだらしなさと未練たらしはおおよそ理解できる。

女の平均寿命はたしか85歳くらいだったと思うが、男は80歳だったっけ?
 
先日の体力調査でも70歳台の体力が過去のそれに比べると上昇傾向にあるそうだし、体力がある人がアンケートに答えたんじゃないか?
 体力のない奴、入所できる金を持たない奴なら早く死にたいと思ってる割合も高くなると思うが。

自分の意思を伝えることが出来るうちに死にたいと思うようになったのは昨今の風潮である。断捨離やら尊厳死、平穏死などのことばが禁句でなくなり、公然とマスコミに出るようになってから10年くらいになるかな?
 生きる権利があるならその対極として死ぬ自由が認められてこその民主主義なんだけどな。
もっともイチャモンモンスター中国に対して、民主主義なき経済開放が国をさらに乱してるとのたもう日本に民主主義を語る資格はないと思うが...。
 日本の民主主義は圧倒的多数を持った一方的な意見で、少数派を駆逐しまくってることで国が成立している多数決民主主義なんである。中国やロシアと大差ない。

納税者数の減少を食い止めるために自殺者を減らしたい。なるべく医療や介護による収入で潤う一部の人のために尊厳死を認めることなんかとんでもない話であり、あるだけのチューブで延命措置を施すことを推奨する国なんである。
 すべては一部の者(特権階級・権力者)の利益のための政治であり、これはどの国であっても同じようなものだろう。



 近所のコンビニの前で騒いでる奴がいて、目が覚めちまったんで2時ころから読書。安部公房の「内なる辺境」。巻末を見たら40年前の初版本である。高校生のときに買った本だ。

 字数も少なく、読んだことは読んだんだろうが記憶にないのは小説でないからかもしれない。ユダヤ人の迫害についての考察を、権力が理想とする被支配者のライフスタイルを農村(農民)にすることが歴史的な観点から述べることにからめて、ユダヤ人と都市生活者と同一視するという文化論である。
 こんな本高校生時代の自分が面白がって読んだとは到底思えない。多分途中で投げ出したに違いない。もっともそういう本が本棚には腐るほど並んでるが...。

 今回初めて読み終えた感想は、日本人がシオニズムをどんなに論評しようと、それが何のためになるんだろうか?である。同時代に「日本人とユダヤ人」というベストセラーもあったが、その時代流行してたんだろうか?
 単なる異民族の評論や分析でないことは理解できるし、考察の方法や観点がユニークであることだけは面白く読めるんだが、何のため?となると答えが浮かばない。
 単なるつぶやき?
 

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