2月12日。 158/92。62.4㎏。
ケイのねぇねぇのところでついてしまった習慣、それは新聞である。長い間新聞のある生活と離れていたせいかひどく新鮮なものに感じた。
で、この朝は食料とともに新聞を買ってきた。
午前中と午後でも読み続け、TV番組表やスポーツ欄を除きほぼ全ページ目を通した。やはり、PCの画面で読むものとは明らかに違うな。俺には「キンドル」なんかも無理なんだろうな。
新聞をパラパラめくるのと、PCの画面をスクロールさせんのもずいぶんと違うことにも気が付いた。残像の残り方が明らかに違うんである。PCではほとんど残らない。
また、新聞生活に戻すことも検討してみるつもりである。
昼食は餅を焼いて「磯辺巻き」の海苔なし。すき焼きのたれでもうまいことが分かった。
これに「チキンラーメン・卵入り」。
3時ころ出発。
上野に出て、丸井の中にある化粧品メーカーの店「LUSH」でボディクリームを買った。このクリームのおかげでここ3年もの間、老人性皮膚掻痒症に悩まされることなく暮らしている。
そこから神田へ移動し弓道店に向かった。ここで寄り道。
「江戸礎石」なるたてかんばんが目にとまった。筆で書かれた文字はちょっと見にくかったが、どうやらこの界隈のお屋敷の住居の礎石だということで、ちょうどその前のプランターの花に水やりしていたご婦人が立て看板の内容とほぼ同じことや、その礎石をおかみに献上したりせねばならないことで面倒くさいからすぐそばの東京湾に捨てちまったらしく、現存するものがほとんど残ってないことなどを教えてもらった。
すぐ脇には井戸もあったということで、掘り起し作業があったところ、金銭とか下駄とか衣類とか焼けた色々なものが発掘されたとのことだった。
下駄の大きさで当時の人の背丈が推測できることや、金貨も真黒になって判別不可能になっちまうことなど学芸員に教わったことをそのまま解説してくれた。
なんか、東京散歩らしいスタートだったな。
弓道店はいつになく暇そうで客は一人もいなかった。ここで二種類の「ゴム弓」を見せてもらい本物の弓に似ている方を買った。
ここからが散歩再開だ。
神田から隅田川を目指す。
風が冷たい。腹もちょっと減ってきた。家にいればおやつタイムだ。
で、通りの反対側の住居表示に目がとまった。「千代田区東神田00丁目0」。
俺が44年前に初めて同居人を迎え入れた時の本籍住所なんである。俺は戦後のどさくさにあつらえたインチキ住所だとばかり思い込んでいてはなからその存在を信じてなかったんである。
だって、家みたいな貧乏人が「千代田区東神田1丁目2番地3」なんてところにいられたわけないじゃん、って考えるっしょ。
そうかあ、あったんだ。もちろん帰宅して住所を探せば見つかるに違いない。
で、通りを渡ってその住所を突き止めることにした。そこはいろいろな住所(丁目)名がひしめいていて、馬喰町や岩本町などがあり、うろうろしていてもなかなか見つからなかったが、そこは東京の面白いところで、ギャラリーやカフェや昭和の古い建物などを見て回るのは楽しい。
やっとあたりをつけたところはマンションになっていて、周囲はエトワール海渡を中心とする?繊維問屋街の外れに当たるところだった。そういえばおふくろの昔話に中で、着付けに非常にうるさい義父が出てきたことが何度かあったことを思い出した。もしかすると、その関係の仕事をいと何でいたのかもしれないな。
ここに嫁いで、そして戦火に見舞われ、焼け出されて福島に疎開、という道行になったのかもしれない。
感情移入なんかできやしないが、偶然にしてもルーツをめぐる旅が出来た、って感じだな。
腹が減ってきたんで、両国橋まで行って引き返し、浅草橋駅近くのそば屋で「天ぷらそば」をすすった。ビールも飲みたかったが、そこは我慢した。
そういえば、最近そば屋でかつ丼やそばを食うことが多くなった、ということについて考えてみた。
どうも、特にかつ丼については小児食体験から来ているらしい。小学校2.3年当時の弁当でおふくろが作ってくれた「かつ丼弁当」は当時俺にとっては量が多すぎて、食い終わるころには昼休みが終わってしまうほどだったんで、うんざりした思いしか残ってなかったんだが、味はまさに王道のそれだったんである。砂糖・しょうゆで煮て卵でとじたもの。これだよな、ルーツは。
そこからぶらぶら総武線の高架沿いをぽつぽつあるいろんな店を見ながら秋葉原まで歩いた。
今朝の新聞によると「9割の体調不良はあることで治る」とあったんだが、なるほど腹の調子だけは抜群に良いようである。
5時半に秋葉原はヨドバシカメラ前でケイのにぃにぃと落ちあった。彼のおすすめの(一度来たことがある)焼きトン屋で飲む予定だったが、あいにく日曜定休だったんで、俺が来た道の途中にあった焼きトン屋で飲むことにした。
と、その店のすぐとなりにも焼きトン屋があり、そちらのほうが混んでたが、尋ねたところ奥に席があるということでそこで飲むことに決めた。焼きトン1本100円。
ここで、生ビール2杯~日本酒をシロ5本。塩かたれなんて野暮なことを聞いてくれないのがいい。基本的に焼きトンはたれと決めている。特にシロに塩は合わない。
取り立てて賞賛すべきことはないが、及第点が出る味だったな。駅近くにこういう店があるのはありがたい。
二軒目はケイのにぃにぃのリクエストで「イングリッシュ・パブ」。駅から5分ほど御徒町寄りのビルの1階にある店は間にテラスをはさんだ二つの店内で営業している。テラスの立ち飲み場でも10人くらい飲んでた。
UKの画像と音のなかで、その都度清算のシステムのパブの雰囲気を楽しむ。俺のようなじじいは一人もいなかったな。俺みたいなのにはバーボンとカントリー&ウエスタンのほうがお似合いか?ラムベースカクテルとレゲエもいいなあ。
ここでは「キウイ入りのカクテル」~おすすめスコッチ(名前は忘れた)のハイボールと「しめ鯖のカルパッチョ」。しめ鯖の変わった食べ方、これもありだな。
店を出て駅を目指して歩きだした時、ふと左側向こうに動く物体を発見した。何と超でかい「ネズミ」だったんである。建物から出てきて道路沿いの植え込みに逃げ込んだ。思わず声あげちまった。あんなでかいネズミは初めてだったな。
先日の鷹といい、この日の超デカネズミといい、東京は人種だけでなく動物も多種混在しているなあ。
帰宅後、日本酒をちょっと飲んでダウン。それでも9時半ころ。