11月2日。
早朝よりDVD鑑賞。「おかしなおかしなおかしな世界」の後編。自分で半分でちょん切ったんだが、しばらくしたら本当にIntermissionが入った。
後半ではカーアクションもだんだん派手になって見せ場もあるんだが、なんせ当時(1963年)の技術じゃあしょうがないんだけど、合成シーンがひどくて目を覆いたくなる。
最後のシーンでのS・トレーシーの自嘲気味な台詞が映画全体のモチーフを表しているが、それのための160分は長すぎゃしないか?バナナを踏んですべるというオチって当時はまだ受けてたのかな?
午前中は集中して読書。立原正秋のエッセイをほぼ読み終えた。若いときから武道に慣れ親しみ、どちらかといえば直情型の人で、義侠心も強く、文学者とはちょっとかけ離れた何かを感じた。で、ウイキったら朝鮮人だったことを知り、納得。
本からすると日本の古典に傾倒してからの作品はより日本的なものを追求していたようである。なぜかテコンドーを習い始めたときの最初の先生の黄(ファン)さんのことを思い出していた。彼もより日本的なものに傾倒しており、武士のようなものにあこがれてたんじゃないかと思わせたっけ。
立原さんが娘のスカートをかんだ犬を木刀で殴り殺したり、学生時代から喧嘩っぱやいいくつかのエピソードを読んで「パッチギ」をも想起させる。
で、酒や食べ物についてのところになるといかにも風流を大切にしていて静謐な感を受ける。生涯(54歳享年)最後では奈良や京都のものに親しんでいたようである。
昼食は冷や飯を使い「炒飯」、ラーメンスープを使い「中華もやしスープ」をケイのにぃにぃと一緒に作って食べた。炒飯は赤と黄色のパプリカ、ピーマン、コーン、ハム、長ネギを使い、味付けは「アミ印」である。
午後も天気が悪く、引きこもりを決め込んでDVD鑑賞。「隠し砦の三悪人」。徹底した娯楽作品。黒澤監督ものとしては「七人の侍」に次ぐものじゃないかな。なんでも「スターウォーズ・エピソードⅣ」のもとになってるらしい。確かに人物設定がいかにもそれらしい。
主に三船敏郎のアクションシーンはすごい!1958年でこれだもんねぇ。祭りのシーンも斬新で強い印象を残す。北野監督「座頭市」より強いインパクトだ。
夕食は「ふろふき大根・甘味噌だれ」、「豆腐となめたけの卵とじ」、「かぶの葉の味噌汁」、「納豆」。
食後、フランス産赤ワイン(フルボディ)をちびちびやりながらDVD鑑賞。「赤ひげ」。黒澤監督1965年作品。一度TV?で観てるはずなんだが記憶がない。で、ちゃんと観ることにした。200分。途中休憩が入る。脚本家4人による力作である。一つ一つのエピソードを丁寧に描きすぎたための長尺であり、主人公の医者二人よりも患者側のエピソードに重点が置かれている。
主人公の赤ひげは無知と貧困が生み出す不幸の原因である社会を糾弾し続け、赴任した新米の医者も各エピソードに関与して成長し、同調してゆく流れを基調にして、とにかくヒューマニズム満点に描かれている。好みが分かれるところかもしれない。
終盤に出てくる笠智衆、田中絹代の二人でムードが一新される。まるで松竹映画みたいで楽しいね。二木てるみさんの演技がすごい。「警察日記」でもすごかったけど、この人の演技力は黒澤さんを喜ばしたんじゃないだろうか?「臨終ほど荘厳なものはない」。赤ひげに語らせた名言。三船さん、かっこよすぎ!
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