3月9日。星期五。 190/84。63.6㎏。
9時過ぎに買い物へ行き、帰り道雨が降り始めて、夕方まで降り続くことになる。
一日読書で過ごすことに決めた。高橋和巳「堕落」。学生運動が盛んだったころ、本屋にたくさん積まれていた「悲の器」、「わが心は石にあらず」は読んだことがあるが、この作品はそれよりも後の作品で、土浦の古書店の店頭で100円で売られていたハードカバー本である。
読んだことがあるという2作品も読んだのが40年前で記憶がほとんどない。というか、今回読んでみてわかったのは、ある程度の社会的な経験を積んでから出ないと、作品の核心が理解できないんじゃないかと思った。しかも満州事変などの予備知識、それもかなり正確なものを知らないと理解するのに苦労するし、中国文学科に在籍していただけに、なおさらである。もちろん今回も辞書は手放せなかった。前2作品の時はどうやって読んだんだろう?
強烈な作品だ。日本国、それも天皇制にかかわることから満州国という暴挙に出た政府に対する批判と、それに関わった主人公の破滅と、家族を犠牲にしてまで帰国した後のストイックなまでの自己犠牲生活とその破たんを描き、それを我々に問うのである。現代(1970年当時)の日本の抱える大きな矛盾を。
この作品は1965年発表、1969年に単行本化、1971年に本人死去、享年39歳だったそうである。
一気に読んだんで疲れた。前2作品はもう一度読むことにした。
昼食は「焼きそば」。
午後も読書。合間に中国茶を飲む。「蒙古TUO茶」。種類は黒茶である。100度で1分。二度目はお茶漬けで使ってみたが、見た目はかなりぐろいが味はなかなかいい。お茶漬けはずいぶん久しぶりだなあ。
「堕落」のあと、「84年度ベストエッセイ集」も読み終えた。後記を読むと、83年が第1回目の出版だということだ。その時代の出来事なども読むことができ、なかなか興味深い話題も含まれており、これも土浦で手に入れたものだが、次回も見つけたら買ってもいいな。
夕食は「鶏肉豆腐の和風あんかけ」、「ひよこ豆とカリフラワーのベーコン炒め」、「菜の花のおひたし」、「わかめと豆腐の味噌汁」。
アペリティフでケイのにぃにぃが買って来てくれた「白州」と「ボウモア18年」を飲み比べた。これは好みが分かれるところだな。白州はすっきりした辛口。ボウモアはしっとりしたうまみがある濃い口。両者ともおいしいスコッチであることには間違いない。
発泡酒の後はこれもケイのにぃにぃが買って来たチリ産ワイン「クワトロ」。その名の通り4種の葡萄をブレンドしたもので、香りは穏やかでさらっとしていて14度にしては辛さもなく水っぽさを感じる。飲みやすいが俺には物足りない。
それらをちびちびやりながら「ハウスオブカード」の続きを2話観る。明日が最終回となりそうだ。
で、〆にウイスキーを飲み始めたところでケイのねぇねぇからメールがあり、留守番の依頼あり。台所の片づけなどを済ませて、最終のバスに乗り一路東京のマンションへ。明日朝直行というスケジュールとなった。12時過ぎダウン。
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