2018年8月21日火曜日

介護保険支払者の窓

 なんか、PR紙のタイトルのようだね。ブログの番外編で入院編としても良かったかな。

8月9日、2時から7時ころまでかかった大手術の後、全身麻酔から覚めた時はめちゃくちゃに寒くて、凍え死ぬかと思ったくらいだった。下半身が特にひどく、暖められると次第に治まってきたが、今度は痛みが出てきて注射を打ってもらった。が、いつもははっきり出ている血管も、寒さで縮こまってしまったのか、ベテランでも苦労していたようである。体全体が白くなってた、とはケイの談。

 8時ころ尿意を催し、そばにいたケイに尿瓶を頼んだ。点滴の量が多いためらしい。すぐ後でまた催したが、今度は尿瓶を外したらしくベッド上おもらし状態になっちまった。
 その後、2・3回は催したな。

8月10日、最初に入ってた部屋に戻された。前日は食事抜きだったんだが、それほど食欲はわかず、常食で十分足りた。が、米はしっかり170gあり、このボリュウームで満腹状態になるのかもしれない。入院中太るかも。

 入院した当日(8月8日)、よく寝られなかった原因の「痰爺」は相変わらず同部屋。この爺の呼吸自体が変で、丸一日中鼻汁をすするついでに呼吸してるんじゃないかと思わせる。明らかに絡んでる痰も吐き出さないで、飲み込んでるんだろう。で、とまったと思うとひとりごと。息子がたまに面会に来ているようだが、聞こえてくる話しによれば単身生活者である。ならば同居人ともめることもないわけだ。俺の退院前に退院していったが、それまでの間、この痰爺の発する奇声、奇音に悩まされ続けることになる。

 足の痛みも続く。自分の足ではないような麻痺状態なんだが、痛みだけは必ず自分自身のものとして感じられちゃうんである。保証人になって借金取りに追われるような、そんな気分である。

8月11日の夜も、ひとつ向こうの痰爺の立てる奇声&奇音とすぐ隣りの立てる音(ボリボリ身体を掻く音、頻繁に起きる物音はラジオかテレビでいつまでも起きてからだろうか?
 3時間ほど眠ったああと、11時ころ、あんまり気になって眠れないんで誰もいないデイルーム(休憩所&面会室)へ行く。
8月12日になり、0時半頃の外の様子はと見ると、LED証明のためだろうか?部分的に非常に明るい場所がある。車の往来が多く、すぐそばの高速道路も車の量が多い。あの高速の中を、今の俺は運転できるんだろうか?忙しく車線変更する車や煽ってるんじゃないかと思うくらい車間距離をあけない車たちの中を走ると考えるだけで疲れちまう。

 これだけの多くの建物(マンション)の照明 と車(信号も含む)の往来で、星空はほぼおがめなくなっているようである。もっとも何処の都市でも同じようなものだろうが。
 あれだけ「エコ」が騒がれたにも関わらず、その効果が見られたのは一時であったし、このつぎにいなじようなことがあっても、それも繰り返しにすぎないものとなるんであろうことはわかりきってる。
 日が沈んだら家に帰り、日の出とともに動き出す、こういった規則正しい病院生活は身体的にも精神的にも健康的である。もっとも俺にとっちゃあ9時消灯は遅いし、6時起床も遅すぎる。

 年寄りが多い。当然ボケたのも多い。デイルームにいるとそんな連中の電話での会話が全て聞こえちまう。これは実家での義母にも言えることだが、耳が遠いせいで地声が大きくなることを本人は自覚していない。
 公衆電話というものが設置されており、俺も入院中に一度保険金請求で電話したことあり。で、公衆電話を使ったある日の老女の電話。
 一度は通じたのに伝えたいことが口に出てこなくて、しかも10円玉2.3枚しか入れてなかったのか、途中で切れてしまった。
 二度目で、相手が携帯電話だということがわかった。多分100円玉入れたんだろうが、今度は伝えたいことがスラスラ出てきたが、相手は伝言モードになってたらしく、金も余ったようなので、同じ内容を繰り返ししゃべっていた。
 三度目は、二度目に伝えたことがちゃんと通じるかどうか気になったらしく、同じ内容のことを喋ってた。
 当人は80代?しゃがむと上下に震えているようにみえるその動きで隣の自販機で水を買ってから、ぶつぶつひとりごと呟きながら部屋に戻っていった。

 20時ころデイルームでの母娘のやりとり。母親のセリフは数種類あって以下のとおりだ。
「ここはどこ?」、「なぜここにいるの?」、「いつからいるの?」、「今日はいつ?」、「 9時消灯はあたしにゃ無理」、「6時起床はあたしにゃ無理」等々。
 これに何度となく繰り返すやりとりに娘は根気よく返す。立派としか言いようもないが、こうした不毛のやりとりのストレスには俺は到底耐えられないだろうが、考えなくとも、そのストレスは俺が与える方の立場になるという未来図が現実的なんである。やれやれ。相手になる人、今から「ごめんなさい」を言っとこうか。

 早朝のデイルームで。一人静かに佇む老人は皆無。わさわさ自販機のジュースを飲んで、ブツブツひとりごとがうるさいのと、複数で片側通行の会話を延々と続けるやかましいのと、そのどちらかしかいない。
 早朝から電気髭剃りで入念に髭剃るやかましいのもいた。10分はやってたな。俺が見たとこによるとほとんど生えてないんだな、これが。オツムの上はアイススケートリンク状態だし。

 今回の入院で一番気になったのは、「痰が絡む老人の多さ」である。痰がからむクセに出す奴が少ないのも気になる。もっともデイルームでゴミ箱に直接吐き出した奴もいたが、こんなや奴は殺したくなったね。
 痰が絡んで咳き込む奴が非常に多い。鼻をかんで、それでも痰がからむようだったら吐き出せば済むことなんだがそれが出来ない。生活習慣病みたいなものである。ちょっとの動作を面倒臭がる老人は自分でQOLを下げていることに気が回らない。もっともQOLについてはちょっと過大評価しすぎる傾向が気に入らないのであるが。
 こいつら全員鼻をかむ習慣をつけたらティッシュメーカーは業績が上がるだろうな。

 「鼻水を吸い続ける老人」はこれくらいにしとこう。話が暗くなるからひとつ明るい話題を。

8月14日、朝4時40分。デイルームから南方面を眺めていた時、流れ星が落ちて消えるさまを見たんである。すぐに願い事をかけられなかったんだが、1時間後に思い出して願い事をしたんだが、ご利益あるだろうか?

 


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